美術展のキャッチコピーに賛否両論
ごきげんよう、”文学YouTuber”ベルりんの壁のベルです。
現在国立新美術館で開催中の“至上の印象派展 ビュールレ・コレクション”(http://www.buehrle2018.jp/)。
絵画の中でも特に印象派が好きな私は、街の広告を見てすぐに食いつき、みなさんにTwitterで共有致しました!
【美術館情報】
2/14のバレンタインデーから六本木の国立新美術館で #至上の印象派展 ビュールレ・コレクションが開催されます!
“絵画至上最強の少女(センター)”ということで、誰がTO(トップオタ)になるのでしょうか?
詳細はこちら👉https://t.co/1cDmIocIfD pic.twitter.com/AcvAX5XXQw— ベルりんの壁📕文学YouTuber (@belle_youtube) 2018年1月19日
特に、目玉の絵画であるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》に対し「絵画史上最強の美少女(センター)」というキャッチコピーをつけたところが気に入り、TO(トップオタ)という乗っかったコメントも残しています。
しかし、たまたま見た記事によると、このキャッチコピーが賛否両論を巻き起こしているというではありませんか!
一部の話を大げさに言っている節はあると思いますが、なぜ?
みなさんはどう感じますか?
私は、否定的な意見が”両論”と言われるほど上がったことに驚いています。
否定意見には主に2タイプあり、下記の通り。
1つずつ私の考えを述べていきます。
美術の印象悪化
私が美術館が好きという話を周りへすると、「美術館は格調高くて気が引ける」といった言葉をもらうことがよくあります。
この原因の1つとして、「絵画鑑賞は識者の崇高な嗜好」として一部の者で絵画の魅力を封じ込めていることが挙げられるのではないでしょうか。
今回の件でもその雰囲気を感じられます。
もちろん、新規の流入方法が安易で過激でなものであれば、「安っぽい」「軽い」と発言するのも納得です。
確かに、ポップな言葉を用いて攻めている印象は少し受けました。
単純に「センスがないから」という否定意見もあったので、この感覚の人が多ければ仕方ないのかなとも思います。
一方で、ネガティブというまでのイメージまでは抱きません。
ですから私は、これだけで絵画の評判が下がると言ったことはないと思っています。
それで落ちるような作品ではありません。
だって、ルノワールですよ?
また、下品なイメージもないため、美術に害悪を与える人たちが大量流入してくるとも思いません。
これでは、これまた以前にTwitterで話題になった“京都でレンタル着物を着ている外国人観光客”を揶揄しているのと同じ構図です。
興味を持って文化を知ろうとする初心者を排除することは高貴とはいえないような気がします。
むしろ、言葉狩りに勤しまず、広告が入り口を用意してくれていると思って、あなたが可愛い新人に良さを教えて欲しい!
私は、美術や絵画を始めとした歴史は色々な人に見られて、知られてこそ価値が上がっていくものだと思っています。
そもそも印象派というのは、保守的な美術界から激しい批判を受けながらも、新しいスタイルを追求し、確立されていったものです。
それをまた一部の物にしてしまってはもったいないです!
むしろ、新しい感覚の持ち主に響いて欲しいはずではないでしょうか?
以前に開催された”怖い絵展”や”ツタンカーメン展”など企画や言葉自体が持つパワーが強すぎるものに比べ、”印象派”は新規層取り込みには弱い部分があるかもしれません。
そのような中でのキャッチコピーはかなり重要な役目を持っていますから、とても素敵な試みですし、このように話題として取り上げられたこともある意味で成功なのかもしれませんね。
好きな人は放っておいても来ますから!
センターは美少女とは限らない
次にセンター美少女問題ですが、こちらは揚げ足取りのように見えてしまったので、簡単に。
美少女=容姿が整っているというイメージが一般的なので、必ずしもその要素だけではないというのはわかりますが、十分美少女ですよ!
ポジティブなイメージで伝わってきますから、そこの厳密性は目をつぶっても良いのではないでしょうか。
センター張るくらいの「魅力女」とかにしますか?
元々ある言葉に当て字する根本が崩れてしまいますね。
記事ではご丁寧に主催側にインタビューまでして、回答が得られなかったと締めていますが、呆れただけでは…
当て字は前からあった
今回は「美少女」に「センター」と字を当てたことが問題となりましたが、これ、美術館でも以前から行われている手法です。
例えば、2016年に開催していたボストン美術館所蔵”俺たちの国吉 わたしの国貞”(通称”くにくに”展)(http://www.ntv.co.jp/kunikuni/)は当て字パラダイス!
全ての章タイトルが当て字です。
パンフレットには「幕末の浮世絵両雄(ツートップ)が渋谷で激突(マッチアップ)」
また、水木しげる先生の描く妖怪”がしゃどくろ”の元となった浮世絵が飾ってあるゾーンには、「物怪退治英雄譚(モンスターハンター&ヒーロー)」といった当て字がなされていました。
絶対こっちの方がキラキラしてますって!笑(印象派とは俗っぽさの程度が違うといわれればそれまでですが…)
“くにくに展”は、西洋の絵を好む私にとって行くかどうか迷っていた展覧会です。
そこにこのキャッチコピーがドーンと入ってきた時、面白くて一気に興味を持ちました。
実際に足を運んでみますと、歌舞伎スターの浮世絵は今でいうアイドル画像(ブロマイド)のような役割であったことがわかり、春画においては、言ってしまえばエロ本(笑)
“浮世絵”が先行すると古臭そうな感じがするのに、行ってみたら身近でとっても新鮮なのです!
だから私は新しい美術好きを沢山増やしていきたいと思っています。
どんどん新しい試みをしていただけると嬉しいな。
まとめ
いつもより意見の強い記事ではありますが、それは私が今行っている活動における関わりを感じたからだと思います。
私は、YouTubeで本の魅力を伝え、「若者の活字離れ」を食い止めたい!本好きを増やしていきたい!コミュニティで仲間同士の交流を活性化させたい!という思いがあります。
つまり、若者の見る場所で、若者が見ない動画を出しているということになりますね。
だからこのフィールドにおいて、安易・過激ではなく、どのようにしたら面白く楽しく興味を持ってもらえるかを考えることが楽しいです。
芸能人が書いた作品、ラノベ、映画化作品なども多く、言っていることも軽い…たしかに!
でも、好きなことには変わりないですし、探究心も衰えません。
私は、文学インフルエンサーの美少女になりたい!
あ、センターでした!笑
最後に、当て字の例であげた”くにくに”展は過去にスライドショーとして動画にしています。
随分前の動画で未熟な部分はありますが、生の雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。
否定派の意見に初めて納得。「ああ、なんとなく残った違和感の正体はコピーライターの勉強不足だったのか…」素敵な記事です。
それでは、ごきげんよう。
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